
Ryo Kamishima
上島良企業の土台を作る。20年のキャリアをゼロにしてイチから挑むワクワク感

プロフィール
執行役員/管理部本部長
北海道札幌市出身。北海学園大学法学部卒業後、家具やインテリアを扱う小売大手に入社。販売職から店長、物流部門のマネジャーなど販売から物流まで幅広く経験すると同時に、採用や総務改革など本部系業務でも実績を重ね、従業員数千人規模の同社の組織開発を手がける。組織づくりや会社全体の人事戦略策定などに携わり2024年、ネバーマイルに入社。現在、執行役員として管理部の構築に尽力。
自分の市場価値を考えた時タイミングが訪れた
―ネバーマイルに入社するまでの経歴を教えてください。
数千人規模の従業員を抱える大手小売会社に新卒で入社し、約20年間勤めました。その間には北海道や群馬県、千葉県などの店舗で販売職から店長までを経験したり、物流系子会社の営業所や物流センターのマネージャーを務めたりしました。
採用や購買といった総務人事系部署も経験し、転職直前は組織開発を行う部署に所属。店舗への人員配置など組織の人事戦略を具体化する役割でした。評価や制度の整備などを含め、組織づくりに従事していましたね。
以前の会社は、企業理念がしっかり浸透していてポジティブ思考な企業風土でした。社員一人ひとりが一気通貫で物事を進められる体制だったので、多くの経験も得られます。その恩恵にあずかり、いい仲間といい仕事に恵まれ、会社からの評価にも満足していました。
―大手企業で満足を手にしつつ、なぜ転職を決意されたのでしょうか。
40歳ぐらいまでがむしゃらに仕事に向き合ってきたのですが、ある程度のポジションを任せていただけるようになると、手にした満足に疑問を持つようになったのです。
所属している会社での評価は上がったけれど、世間一般での自分の市場価値と合致しているのだろうか。自分にどんな価値があるのだろうかと考え始めました。キャリアを積んだことで、会社の中での将来はなんとなく見えてきます。ひとつの会社に一生を費やしていいのかと、深く考えるようになりました。
転職のリミットは40歳から45歳と言われていることもあり、新しいことに挑戦しようという気持ちが強くなった時に、ネバーマイルの社長である深作に「一緒にやらないか」と声を掛けてもらったのです。タイミングがガッチリとハマりました。
ネバーマイルの主業務であるソフトウェア構築は、私にとって未知の領域です。当然、スタートアップも未知なことばかり。しかし新しい経験に出合える魅力に「やる後悔よりも、やらない後悔のほうが大きい」と感じ、転職を決めました。
―大きな決断だと思いますが、不安はなかったのでしょうか。
転職がまったく怖くなかったと言えばウソになるかもしれません。しかし深作とは、前職で数年間、海外人材に関する施策をともに行った経験がありました。彼の人となりやビジネススキル、仕事への向き合い方などを目の当たりにしていたので、彼と働くことで自分がもうひと伸びできるのではないかと思いました。それは、20年間のキャリアをゼロにしてでも得たい経験。その気持ちが勝りました。
深作からは「いろいろなことをやってもらいます」と言われました。始まって間もない企業で何かを作り上げていく。未知の領域に裁量権を持って挑ませてもらえるということに、とてもワクワクしたのを覚えています。

人生をリセットして、新しいことに挑戦するという価値
―現在どのような業務をされていますか?
私の最初の役目は、これまで深作が一人で担っていた人事や経理といった本部機能を吸い上げ、企業の土台を作ることだと思っています。入社後すぐに深作と話し合い、基本的な制度の見直しから数年後の人員計画といった、それまで手が足りずに着手しづらかった事柄について、検討や実施を進めています。
とはいえ入ったばかりの頃は想像以上に「初めまして」という体験が多く、しばらくはキャッチアップに必死でした。管理部門の経験は長いのですが、経理や給与・労務に携わるのは初めてです。入社からの3か月間で一通りの業務に触れたので、ようやくスタートラインに立てた感じがしています。これからが、自分なりの工夫を加えながらの本格始動ですね。
―上島さんの取り組みで社の雰囲気が変わったと聞きました。どんなことをされているのでしょうか。
特別なことは行っていません。就業規則や組織図、業務ルールなどの細かい点を整理したり、事務機器を整備して働く環境を整えたりです。特筆することがあるとすると、毎週金曜日に行う全社会議を私が運営するようになったことでしょうか。
その中で“ネバーマイル・ルール”を全員で見直します。課題に思っていることを挙げ、ルール化すべきことはルールにする。そのルールを守ることが習慣となったら、ルールから外して消すということを行っています。
例えば出社時間。当社はフレックスなので、出社時間の調整ができます。ただ、お手伝いいただいている業務委託のエンジニアが社員より先に着席されていることも多かったので、それでいいのか?という議題を挙げました。
業務委託の方との良い関係づくりのためには何が最善か。公平・平等という視点も併せて全員で話し合い、8時45分までに出社しようというルールがメンバーによって決められました。
―ネバーマイルの新しい文化が始まっている感じですね。
そうですね。でも個人的には、最終的には社内ルールはゼロにできたらいいと思っているんです。
ネバーマイルに入って、メンバーがみんな「お客さまのために」という一点に向かって必死に働いているという印象を受けました。その努力は1年後、きっと花開くんだぞと思うと同時に、この会社には“責任と自由”という言葉がフィットすると感じたからです。
現在の、大きな裁量権を持って仕事に取り組める環境を奪いたくない。規程にしばられるのではなく、自分で決めてコミットして、お客さまのために動いて世の中の役に立つ。そんなネバーマイルらしい働き方を生かせるような組織づくり、文化づくりをしていきたいと思っています。
―ネバーマイルで働いて、ご自身に変化はありましたか?
大きく変わったことはないですが、仕事に対してとても前向きな気分です。これまで経験したことのない新しい領域に取り組むこと、そして学ぶことがとても楽しいんです。かつて新人時代、仕事を理解するためにインテリアコーディネーターの本を買って夢中で読みあさったことを思い出します。
勉強したり、分からないことは分からないと頭を下げて教えを乞う。そうやって知識が増え、仕事ができ、みんなに貢献しているということを再認識しているのが、とてもうれしい。人生をリセットして、新しいことに挑戦するのはすごく大事なことだと実感している最中です。

次世代の育成を視野に、新卒採用を開始
―管理部を見る執行役員としての、これからの計画をお聞かせください。
まずは今年度から新卒採用を始めます。
ネバーマイルは、2030年に100名体制にして100億円の売上を達成するという目標を掲げています。会社がもっとも飛躍するタイミングでは、新卒1期生、2期生が社の中核を担っていてほしい。そこから逆算すると、今期新卒入社した人は2030年時点で27、8歳とキャリア年数もよい頃合いです。また、新卒採用は企業文化の浸透という面でも有効ですから、少しでも早く始めたいと考えました。
一方で、組織の活性化という面で中途採用もしっかり行っていきます。次のメンバーのためにも、働きやすい会社の基盤を整え、ビジネスマンとしての育成をきちんと行うことも計画中です。
―そのための施策を教えてください。
特別なことはありません。どこの会社もやっている基本的なことを粛々と行うことが大切だと思っています。
まずは1on1などで既存メンバーから話を聞くこと。困り事を聞いて、そこからみんなで意見交換し話し合う。困っている人にみんなで声を掛け合って助けていく。その積み重ねをコツコツ行うことが、次世代の育成や企業文化の醸成につながると考えています。
ネバーマイルには「嫌なこともしっかりと相手に伝える」とか、「理解してもらえるようきちんと説明する」という姿勢を大事にするメンバーが多いと感じます。これは誠実さの現れですし、「大事なことだよね」と全社会議などでも話題に上ります。組織に根付きつつある「ネバーマイルらしさ」のひとつなので、大切にしていきたい風土だと思っています。
―上島さんにとって、理想の組織とはどのようなものですか?
個人的には、ネバーマイルが100人、1,000人と大きくなった時、社長と新入社員に同じ質問をして同じ答えが返ってくる会社になると良いなと思っています。
「会社の強みってなんですか」「弱点は? 課題は?」と聞いた時に同じ答えが返ってきたら、すごく素敵な組織じゃないですか?それが真の風通しだと思います。そのためには、言いたいことを言え、きちんと伝え合える環境が必要です。
ソフトウェア構築という点で私は、メンバーの直接的な力にはなれません。その分、組織づくりといった面で役に立ちたい。これからが楽しみです。
