
TEPPAN
自社運営サービス(TEPPAN)鉄鋼業界特化型の配送管理システム「TEPPAN」
ネバーマイル、有限会社別府スリッター、櫻井運輸株式会社、藤澤鋼板株式会社の4社で共同開発し、2024年にリリースしたサービスです。
鉄鋼業界は産業の発展にかかせない分野でありながら、運送に関連したシステムが整っていない現状がありました。なぜなら「鉄鋼業界の運送」には特殊な条件が多く、システムを導入するハードルが高いからです。そのため、会社ごとに独自の方法で受発注管理を行う企業が多く、配送手配業務は複雑になっていました。そのような現状を打開し、鉄鋼業界の物流の効率化を目指したのがTEPPANです。
積荷の自動計算、頻繁に発生する分割配送の登録、積荷情報の柔軟な更新などの機能を搭載しており、鉄という複雑な荷材の配送手配の負荷を軽減します。TEPPANの導入により、業界で固定化しているアナログな受発注業務の一部をデジタル化し、業務の生産性改善に寄与することが期待できます。
TEPPANの詳しい説明はこちら(※別タブで開く)をご覧ください。


サービス開発の背景
システムの構築は4社共同の体制で進めました。通常のシステム構築では、発注企業と受注するシステム開発会社という関係性が一般的です。しかしこのプロジェクトでは4社すべてが「サービス開発者」として参画し、「鉄鋼業界におけるアナログな配送手配のやりとりを効率化する」という理想の具現化に向けて取り組みました。
もともとネバーマイルは、お客さまごとに独自でシステムを構築するサービスを提供してきました。このプロジェクトでパッケージ型のプロダクト開発を手がけることで、既存のシステム構築サービスにも活用できる新たな知見と経験を得られました。両方の開発手法を理解することで、お客さまにより適したソリューションを提案できる体制を整えられています。
この取り組みにより、自社の知見を強化すると共に、パッケージでは対応しきれない領域にこそ、ネバーマイルの価値を発揮できることを再認識するきっかけを得られました。今後も組織基盤を拡大し、このような新たな領域でのチャレンジを増やしていきます。
開発における考え方
私たちは「本当に良いものを作る」ことをシステム構築の中心に据えています。「本当に良いもの」とは、お客さまが実現したい未来を考え抜き、その実現に最適なシステムを確信を持って提案できることを意味しています。このプロセスにこそシステム構築の喜びがあり、エンジニアの創造性が発揮されると考えているからです。
今後はさらに、技術的難度の高い案件や大規模プロジェクト、新たな領域にも積極的に挑戦していきます。これらの挑戦を通してエンジニアがスキルと経験を獲得し、大きく成長することができるからです。成長の実感がさらなるモチベーションややりがいを生み、プロジェクトでのより高い成果につながっていきます。
構築メンバーの声
山谷昂寛(執行役員/ディレクター)
もっとも印象的だったのは、コイルセンター3社と運送会社1社という複数の取引先が同時に参加しており、各社が「自社だけが使う」ではなく「他社も使う」という意識で臨んでいた点です。これまでは特定の顧客に向け専用のシステムを構築することがメインだったため、複数の視点での生の声を聞きながら進める機会は貴重でした。 特に注力したのは、コイルセンター様と運送会社様の要望を平等に取り入れることと、複数社での利用を考慮することの2点です。
要件定義では「これは自社だけの要件ではないか」「本当に必要な機能か」を常に確認するよう心がけました。運送会社にとってコイルセンターは「顧客」であるため、どうしても「顧客の要望を優先する」意識が働いてしまいますが、今後多くの会社に利用してもらうためには、運送会社にとっても使いやすいシステムにする必要があります。
システムを導入すれば業務が変わるため、我々は「システムを提供する」ではなく「未来の業務を提供する」仕事をしている、という意識を持たなければなりません。TEPPANを利用する企業が増え、プロダクトの真価を発揮できるように、今後もサービスの品質を改善していきます。
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企業のシステムの開発・構築を、要求定義から保守・運用まで一貫して手がけています。物流業界をはじめ、小売・金融業界でも数多くの開発実績があり、大手企業との取引も豊富です。
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